しあわせな頭の中

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映画【七つの会議】ネタバレ感想 ~役者は顔で語る!笑~

ギリギリ映画館で観るのに間に合いました【七つの会議】!

地元のローカル劇場で観たため、鑑賞者は私しかいませんでした。

貸切です笑

 

映画【七つの会議】

原作を読んでいない、ドラマも観ていない、

とりあえず原作者が池井戸潤さんで、監督が福澤克雄さんだということだけ知っている状態で観ました。

さらに言うと、映画好きドラマ好きと言いながら狭く浅く楽しんでいるため深い考察などは出来ません笑

本当に自分の思ったこと、良かったところなどを書き連ねていくことになりますが、

まだ観ていない人の興味を少しで引くことが出来れば良いと思います。

もちろん、観た人にも「分かる!」とか「そういうところに注目したのね」などと思ってもらえれば良いと思います。

 

さて、映画【七つの会議】のネタバレ感想に移ります。

 

【七つの会議】をざっくりまとめると、

「時代錯誤、企業の闇と、『働く』とは」

でしょうか。

 

冒頭で現代の若者(一応)である私の感覚とはずれる描写があります。

一斉に立ち上がって挨拶し、みんながみんな同じ方向を向いている……。

気持ち悪って思ってしまいました笑

私がゆとり世代だからとか、こういう有名な企業に勤めたことがないからこういう感覚がないのだろうとは思いますが、大企業ってこんなんなの……? だったら勤めなくて良かったと思いました笑

物語のためだいぶ誇張してあると思いますが笑

 

ただこの時のみっちー(及川光博さん)めちゃめちゃ良いですやん……笑

普段の彼とは違った、気が弱そうで流されやすくてお人よしな感じがすごく伝わって来て、「この人が物語の傍観者役だな」と思いました笑

私の言う「傍観者」というのは、小説、漫画などにおける「誰視点か」ということです。

【七つの会議】はちょこちょこ視点の変わる物語でしたが、だいたいは及川光博さん演じる原島万二さん視点になっていたと思います。

 

物語の最初の方は「説明しよう!!」といった感じで誰がどういう人でどういう世界観で……

と一方的に情報量でぶん殴られるのですが、【七つの会議】は結構すんなり入ってきました。

 

なぜなら! みんな知ってる顔!! 笑

 

八角民夫……野村萬斎さん

北川誠………香川照之さん

原島万二……及川光博さん

板戸宣彦……片岡愛之助さん

新田雄介……藤森慎吾さん

などなど……

 

知っている人ばかりだったので、あ! この人も出てるんだ~となんだかちょっと楽しかったです笑

 

役者さんの顔を知っている分、誰が誰の役をやっていて、どういう人なのか整理しやすかったです。

キャスティング神!!笑

 

それに顔のアップが多く、名前も出してくれたからというのも分かりやすかった理由の一つです。

画面にたくさんの人がいると途端に処理能力が落ちますが、顔のドアップが多いおかげで散漫することがなかったですね。

 

この顔のドアップ、本当に良い笑

 

何がって、役者さんの表現が間近で観られる!!

 

いやぁすごいですね役者さんって!

目の動き、口の動き、顔の角度でこんなにも表現できるんだって改めて思いました。

顔芸とか言われていますが、いやぁ顔芸すごいですよ!笑

顔で、身体で、声で語ってなんぼですからね!

こういう表情一つ作れるのって、本当にすごいです。

 

坂戸さん(片岡愛之助さん)が八角さん(野村萬斎さん)を見る表情良かった~~。

 

めちゃめちゃ殺してやる! って顔だった笑

殺意のこもった顔ってこういう顔ですね笑

その後の原島さんに全て任せた……というところの、

今まであんなに怖そうでしっかりしてそうだった坂戸さんどうした!?

という変わりようも良かったです。

 

その時現れた浜本優衣ちゃん(朝倉あきちゃん)。

 

声が好き笑

 

演技も好きですよ!笑

「物語進行役だなぁ」と思って見ていました。

主人公を引っ張ったり、気づかせたりするサポート役。

とにかく行動! ってタイプが多いですね。

浜本さんは引っ込み思案そうですが、「どうせ辞めるからどうとでもなる!」「何か成し遂げたい!」と息巻いていたので行動力にも納得です。

 

バレバレの尾行しているときは思わず声を出して笑っちゃいました笑

 

ここでも顔のアップが多かったので、結構遠いのかなぁと思ってたら目の前で笑

カメラワークにしてやられましたね笑

 

浜本さんと原島さんは真相を確かめるため、八角さんを尾行していたわけですが……

 

オタク気づいちゃいましたよね。

 

原島さんが椅子ぶっ壊した時に。

 

「あ!! だって池井戸潤さんはネジが好きだから絶対ネジに何かあるよこれ!」

 

って笑

 

板戸さんが飛ばされた時の何も語ろうとしない態度から「おや。不正か」と感じ、

そこからのこの椅子ぶっ壊れ事件笑

そしてさらに、ねじ六への取引変更とあのボキンッて音で確信ですよね。

 

すげぇ分かりやすい伏線!!

 

こんな感じで、【七つの会議】は分かりやすい伏線がバリバリ張られていて、

次々と謎解きしていく物語展開なので少年漫画好きの私、大興奮です笑

 

ムカつくやつを成敗する物語。

なおかつ誰が黒幕だ? こっちもこっちも怪しいぞ……お前か!! というにくい演出。

 

いやぁもう展開が熱い!笑

 

ネジ探しの時とドーナツ盗人発覚の時はドキドキでしたね笑

特にネジ探しは野村萬斎さん顔怖いし、気弱な演技の及川光博さんと朝倉あきちゃんが可哀想で「うわ~うわ~はやく~!!」とハラハラしていました笑

ドーナツの犯人はざまぁみろですね!!

お前が犯人って知ってたけど!!

一回ミスリード挟んでくるところが憎いです笑

 

ネジ折れるところもドキドキですよね。

これはどうなんだ……という実験結果への興味に、ボキンッという大きな音が相乗効果になってめっちゃ驚かされました笑

 

漫画でいう、主人公登場時の『ドンッ』ですね笑

 

最後の大詰め、謎解きパートもなかなかハラハラドキドキ展開でした。

表情からして黒幕が北川さんではないことは分かっていましたが……

野球の話出た時は

 

伏線~~~!

 

ってなりましたよね笑

それから最後の最後でやばい……負ける……みたいな展開で解決の糸口のネジがぽんって出てきた時は

 

やられた~~!

 

ってなりました笑

 

だって!!

北川さん、怒ったらガシャーンってやるタイプの人だから!

ネジの箱ガシャーンしたのも分かるし、その後の資料もバシーンしてたからそういう心理描写なのかと思うじゃない!!

 

違いましたね!!

 

資料バシーンにやられた!笑

 

あの資料バシーンのところは脚本にあったんでしょうか?

香川さんの演技で追加された部分なら、もう香川さんほんと流石すぎます一生ついていきます虫の番組も観ます笑

 

香川さんの大げさともいえる演技にやられた瞬間でした。

 

大げさといえば。

原島さんが椅子をバーンするシーンも良かったですね。

あの優しい原島さんがぁ……となって、いかに恐ろしいことなのか分かりました。

 

ネジ一本の重さ。

それはたったの5g、15gの世界ではないんだと……。

 

「まだ何も出てないから大丈夫」じゃないということ。

 

問題が起きてからでは遅いんですよね。

 

ネジかっこいいです。

私は野村萬斎さんと香川照之さんが握ったネジになりたかった笑

 

このシーンは好きなシーンです。

初めて弱気になって、人らしくなった「部長の北川さん」が印象的です。

ドーナツもね。

ミスドのオールドファッション食べたくなったんで、明日食べますよ笑

 

こうやってネジやドーナツが分かりやすいシンボルとして使われていましたね。

ネジはいわずもがな鍵となる代物。

ドーナツは時に謎解き、時に癒し、時に「甘え」の象徴に……甘い物だけに笑

池井戸さんはそういう小さなものが大きなものを動かしているという描写が好きなのかなと思いました。

 

本当に、この世界は小さなものの積み重ねで支えられています。

 

一本のネジのような、部品一つで機械は良くも悪くもなる。

 

会社だってそうでしょう。

 

一人の人間で変わる。

誰が上司で誰が部下になるか、誰が誰を好きで嫌っているかなどなど。

 

よく会社では「必要な人はいない」「この人じゃないとだめという人はいない」と言われます。

確かにそうだと思いますが、同時に、「誰かがいないといけない」とは思います。

そしてたとえ優秀でなくとも、その人なりの役割を果たせる人がいないといけないと思います。

 

バリバリ実績をあげる(ていた)北川さんや八角さん、花の一課の人たち。

緩衝材のような、可もなく不可もなく、でも人にはよく気に入られている原島さんや浜本さん。

悪役だった上司の人たちや経理の人たちだって、いなきゃいけない人です。

「その人じゃなくても良いけど、いなきゃいけない人」は確かに存在し、そして誰かが何かを踏み外せば会社は壊れてしまいます。

 

一本のネジで椅子が壊れたように。

会社も一人の人間によって壊される。

 

そんなことがないようにするには、その人だけをどうにかすれば良いわけでなく、

その前からずっと清く正しく美しくいるしかありません。

 

今回の物語は、宮野さんが黒幕で板戸さんが実行し八角さんがぶっ壊した物語でしたが、根本の原因は梨田さんにあると……

 

そういう組織づくりをしたこと、そういう教育をして育てたことが間違っていると何度も言っていました。

 

確かにその通りです。

 

今の子どもたち、大人も含め、私たちは誰かの教育を受けて今があります。

教育の方向性でどうにかなってしまいます。

 

犯罪者は、犯罪者本人だけが悪い。

裁かれるのは犯罪者だけ。

 

そうも言っていられない時代です。(昔からそうだったのでしょうが)

 

例えばいじめはいじめた本人が悪いけど、見ているだけの周りの人間も悪ければ、隠ぺいしようとしたやつも悪い。

そんな話です。

 

会社の中だけでなく、組織というものに言えることなのでしょう。

私たちはどの組織においても、賢く、誠実であらねばならないようです。

 

『働く』とは。

仕事をこなすことだけにあらず。

 

『企業』とは。

形だけにあらず。

 

それから、正義だけが正しいというわけではないということ。

 

結果的に会社をぶっ潰してしまった八角さんは「正義」ですが、

社員のことを考えると正しいのかは分かりません。

世間の人、当事者ではない社員ではない人たちからみたら「正しい」のでしょうが。

どちらが正しいのかという議論には答えが出ないでしょう。

そもそも、そうならないようにするのが正しいことなのですから。

 

 

映画【七つの会議】ネタバレ感想これにて終了です。

だいぶ忘却していますが笑

もっと良いところがたくさんあるので、まだ観ていない人は観てみてください。

もう観た人は、2度目3度目もいかがでしょうか。

映画は2度目が面白いです笑

 

いとうゆうじでした。