【死神の精度】 伊坂幸太郎先生 ネタバレ有 ~80パーセントくらいだろうか~
昔読んだことのある本を読み直しています笑
以前はずっと内容覚えていられたのに、最近はもうだめですね……歳かな……
まぁ何度も読めば良いだけの話ですがね。
というわけで、初めに目についた「死神の精度」読みました。
高校生くらいの時に図書館で借りて読んだ気がします。
読書好きなわりにあまり読まないの良くないですね……ガツガツ読んでいきたい笑
初めにこの本を選んだのは、短編集のような構成になっていて働いていて時間が十分に取れなくても読みやすいかなと思ったからです。
思った通り、一区切りつく分読みやすかったのですが、
いかんせん読むのが遅いので忘れていくわ全然読み終わらないわ笑
やっと読み終わったので忘れないうちに感想を書こうと思った次第です。
さて。
様々な雰囲気を楽しめる「死神の精度」。
このお話はキレイにまとまった話かと言われれば、そうではないような気がします。
主人公の死神には分からないことが多かったり、そして物語の展開もその後どうなったのか詳しく描かれていなかったり。
統一感はあるけれど、全て完結しているわけではない。
そこがまた良いんですけどね。
むしろその察しろ! 想像しろ! というところが、読み手のことを考えている作品だなぁと思います。
物語は受け取る人次第で変わります。
それが正しいのです。
ただ、受け取る側は慢心したり争ったりしてはいけないってだけですね笑
いろいろな考えを受け入れられる器を磨いていきましょう。
主人公が人ではなく死神だから、表現が独特で面白かったです。
死んだ牛の発言は面白かったです笑
そして良い意味で非人道的というか、空気が読めない。
死神に使えるのかサイコパスって言葉笑
死にゆく人に自分の思いついたことを話してどう思うか聞くって、人間じゃねぇ。
いや、人間じゃないんですけれども笑
そういう、人なら「おかしい」と思えるところも、死神だからしょうがないって許せてしまいます。
それが上手いと思いました笑
人ならおかしいと思えるところが死神だからおかしくないので、読んでいてストレスがない。
物語に触れていると、主人公の考え方だったり好敵手の考え方だったりに引っ掛かりを覚えたりすることがあると思います。
あまりにも受け入れられなかったらそのまま読まなくなることもあるでしょう。
ですが、これは主人公が死神だからそうならない。
結局「人間じゃないから仕方ない」で片付けられて、客観的に見られるんです。
良い意味で主人公=自分に投影できない。
だからこそちょっと人というものを馬鹿にしているような表現や、
変わった物の見方を思う存分入れられる。
すごいですね~。
しかもこの死神、ほとんど否定しないんですよね。
しかも決めつけもしない。
死神だから人間の考えることや行動には「ぴんとこない」「判断がつかない」などの言葉を使って、読者に判断をぶん投げているんですよね。
読者は好き勝手考えられるので自分の考えを否定されることもなく、
作者の考え方を押し付けられるわけでもない。
だから読みやすい。
自分と感覚が大きくかけ離れた主人公というものはなかなか受け入れられないことも多いと思いますが、ここまでくるともう感覚が違い過ぎて面白いものを観察している気分です笑
しかしこの死神、妙に人間臭いところもある。
そこにちょっと共感も出来るので読者と物語が乖離しすぎることもないんですよね。
結局先延ばしにする魂もあるのですが、
それが自分本位に思えてならない。
お前歌聞きたかっただけやろ?? 感が否めない笑
まぁ、彼女は不幸せの連続だったからこれから良いことあるよって意味でもあったのかもしれませんが。
私は歌が聞きたかったから説を通します笑
さらにこの死神、よくポカをやらかすんですよね~。
完璧じゃない。
そして最後の最後にルールが覆る笑
100パーセントじゃなくて、80パーセントくらいの精度なんじゃないかな、この死神って思いました笑
ただホントに精度は高いですね。
情に流されて判断を見誤るようなことがないので。
それでいいと思います。
管理するってそういうことですよね笑
最後のお話はお~この人か~となるお話で、各物語が串刺しにされていて良かったです。
出て来ると思っていたけど、出て来てくれて嬉しかったです!笑
ちょこちょこ物語が全部「死神」の物語として繋がっているということが分かりやすい伏線がいくつもあって良かったです。
伏線バリバリの話、大好きなので笑
またこういう伏線張ってあるお話読みたいな~と思いつつ。
今回はここまでで。